日本海水学会会長挨拶          

 「海の化学(Marine Chemistry)」という研究分野があるのを知ったのは、私が博士課程に進学して「海水からのウランの採取」の研究に取り組んでいる頃でした。理学部の図書館で見つけた雑誌名が“Marine Chemistry”でした。いまになってInternetで調べると、ELSEVIER社から出版されていました。ついでに、周辺の雑誌を調べると、生物関連ではMarine Biology、物理関連ではJournal of Oceanography(ともにSpringer社)がありました。さらに、Marine Environmental Research、Marine Mining、Journal of Marine Science and Technology, Journal of Ocean Engineering and Marine Energyと続々と見つかりました。「化学」「生物」「物理」「環境」「鉱物」「構造物」「発電」といったキーワードが、海と組み合わさって雑誌の内容が決まっています。

 海に関するこれらのキーワードの内容をカバーし、さらに6つの研究会をつくって活動しているのが『日本海水学会』です。海からの恵みと言えば「魚」ですが、海底のスープとみなせる海水からの恵みは「溶存成分」です。私たちは塩類を海水から提供してもらっている一方で、海水温を高め、海水の水質を低下させています。「海が悲鳴をあげている」と思って研究開発を進めることが今こそ必要です。
『日本海水学会』には、海を愛する研究者・技術者が集まっています。ぜひ、入会し、学会に参加してください。
 
斎藤 恭一(日本海水学会 会長)